10th Anniversary
Special interview
クラッシュゲートのはじまりとこれから
クラッシュゲートというブランドはどんな経緯で生まれ、どこに向かって進んでいくのか。 2023年で10周年を迎えたクラッシュゲート。普段聞くことのない話を”クラッシュゲートの生みの親”である 常務執行役員 ブランド本部長 兼 クラッシュ事業部長 に直営店で働くスタッフ陣が特別インタビュー。
Iinterviewee
森(常務執行役員 ブランド本部長 兼 クラッシュ事業部長)
interviewer
片瀬(販売促進課マネージャー)&喜多(東日本統括マネージャー)
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森
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もう十年かという感じ。あっという間だった。
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片
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クラッシュゲート(店舗)は十年、ブランドを始めてからはどれくらいですか?
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森
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入社して二年目からブランドスタートをしたから十七年くらいかな。
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片
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卸の会社だが、なぜ店舗を構えようと思ったのですか?
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森
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一号店はみなとみらい店。展示会で出店していたところ、店をだしてみませんか?と話をもらった。半年ぐらいの期間で催事出店だったので内装の作りこみはしなかった。
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喜
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店舗の規模はどれぐらいですか?
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森
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四十~五十 坪くらい(いまの展開の中では最小規模)小さい店舗だったけど、実績はかなりよかったよ!
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片
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え、どれぐらいですか?
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森
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(ここでは秘密)円。
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片
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じゃーそこからは順調に?
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森
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当時はクラッシュゲートを継続してやっていくことを社内では始め半信半疑だった。
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片
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それはなぜでしょうか?
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森
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当時店舗運営は会社としても初の試みでうまくいく確証もないからね。
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喜
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やっぱり初めての試みを実現させるというのはそれ相応に大変な事なんですね。
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森
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やりたい事を任すという会社の理念があって、とりあえずつっぱしって半年やってみる、って考えてたから大変とは思わなかったな~。
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片
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CCP立ち上げ経緯を簡単にお願いします。
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森
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やりたいことが沢山増えたからかな。スタートはイージーライフ。その当時市場になくて自分が欲しい物を考えたときに、オークを使用する家具としてイージーライフがやりやすかった。
材質的にオークがほぼ使われていなかったし当時扱われていた素材といえばラバーウッド、少しモダンにしたいときはビーチ材。オークを使っているのは工芸品で、量販店はほぼなかった。
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片
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市場にないものを理解してそれをどうすれば一番良い状態で世に出せるかを考えてるんですね。
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森
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その次は古材を使用することで他社との差別化はもちろん商品の説明やバックグラウンドもわかりやすいからお客様にブランドのコンセプトを伝えるためにノットアンティークスができた。
一つのブランドだと面白くないし、世界観が縛られる。縛られたくなくて、色々な物を創りたくて、なんでもありなブランドを創りたかった。
壊して作る、壊して作る、を繰り返すプロジェクト=クラッシュクラッシュプロジェクト(CCP)を立ち上げた。
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喜
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すごく森さんらしいです。
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森
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自分を枠に入れたくなかったし自分に制限を設けてしまい、その中の枠組みでしか考えられなくなってしまうことが嫌だった。なんでも対応ができるブランドの方がいいと思った。
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片
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家具のデザインはいつ考えてますか?
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森
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急にふってくることはなく、ぎりぎりもぎりぎりで考えてるよ。でもなんとなくあるのよ。こういう「物」みたいな。頭の中に形やイメージのストックはある。
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片
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次に作ろうと思っているものはありますか?
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森
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もちろんある。言わないけどね(笑) でも頭の奥底にあるものが急に出てくることもある。何かを見ていたり、素材を見ていたり、話をしている時に急に思いつくことあるよね?そういう感じで出てくる時もある。
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喜
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素材から出てくることもあるんですね。それはこういう素材に、この形で作るとおもしろそう、みたいな感じですか?
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森
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そうそう、結構素材から入る事が多いんだけど、ノットアンティークスの家具なんてまさにそうで、楡古材パイン古材等、素材にひかれて形を考えていった。
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喜
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そんな経緯があったんですね。一般的に古材は難しいと思うのですが、なぜそんなに惹かれるものがあったのでしょうか。
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森
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古材はほぼ工芸品に近い。研磨をし過ぎて綺麗になりすぎたら既製品になってしまうわけじゃない。それを一点ものの雰囲気をまとったままとどめておかなくてはならないわけよ。
一点ものの雰囲気をまとった商品をつくりだすところに楽しさを感じたんだよね。
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片
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いままで作った中で一番気に入っている商品はありますか?
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森
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なんだろうね~、、、気に入っているからずれるかもなんだけど、作っていて楽しかったのはモニカかな。
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片・喜
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えーーーー!!!!(この日一番の盛り上がり)
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森
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もともとビンテージの形があるものだったのね。それを一から全部ばらして構造をみて、それを日本の工場で一から全部再現して。海外でも作りやすい構造に変えて、海外に送り込んで製品として完成させる。昔の物のほうが作りが凝ってるんよね。
最近の家具の作りが悪いわけではないけどやっぱりヴィンテージの物とかをばらしてみると、こんな作り方するのか、みたいな。当時は素材が無い分、凝って作りこんであるのがわかるから。
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喜
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ヴィンテージのジーパンみたいな?パーツだったり横糸縦糸をばらしてどうすれば当時の雰囲気をだせるかを家具で実践したということですか?
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森
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そうだね、張り込みの椅子とかってもともとそんなにやってなかったから、構造を知るためにも解体して採寸するか!っていう工程はすごく楽しかった。そういう部分含めて気に入ってるかな。
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片
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新ブランドのオアシスですがそれが生まれた経緯は?
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森
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はじめは家具以外のお店がやりたかったんだよね。植物の専門店みたいのを考えていたんだけど、やっぱりうちは家具屋だからインテリアと植物の融合みたいのがつくれないかなと。
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片
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植物をやろうとしたきっかけはあるんですか?
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森
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植物はもともと好きだったんだよね。でもやっぱり植物は環境に左右されるよね、生き物を扱うわけだから。だからまず育成環境をととのえられる場所の方から先に考えて。
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片
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一緒にオアシスのグリーンショップが併設した大川店(取材時は建築中、九月十四日オープン)店舗へ行かせてもらった時に、こだわりをすごく感じました。ぜひお客様に足を運んでもらいたいです。
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喜
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植物と雑貨の融合はすでにあると思うのですが、差別化を意識したところは?
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森
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家具まで融合している店舗はほぼないから、そこをどこまでうまく融合できるかなっていうのはあるね。
動と静じゃないけど、植物の売り場ってボリュームが無いと楽しくないのよ。その中からお客様が選ぶっていう楽しみを感じてもらえるようにしたい。
それとは別に、家具と植物を合わせるとどう見えるのか、どう提案できるのかっていうのは別に作る必要があるとは思う。空間として見せる場所と、植物をしっかり選べる場所と。
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喜
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クリーンなイメージの家具に仕上がっているのはなぜですか?
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森
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最初オアシスを考えているときに、まずはテーマカラーを考えていった。ビビットとかでなく、優しめの色味をチョイスしたんだよね。
差別化をするために今他がやってないないところ、と考えたときに、必要な色、使ってない色、ということにフォーカスした。 他と一緒の事をしたって面白くないもんね。
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喜
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オアシスを言葉で表現すると何でしょうか?
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森
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結局みんながハッピーになれるものがやりたいんだよね。コンセプトはLOVE&JOY。結局おれらが売ってる家具は幸せ産業であり、その為に僕らは頑張っているわけじゃない。
家具を買うときって幸せな時が多いと思う。結婚しました、子供が入学しました、一人暮らし始めますだったり。それに携われる職業としておれらはいるわけだから。
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喜
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なんかかっこいいですね。
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片
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今後のクラッシュのビジョンは?
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森
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店舗からあがってくる商品開発の希望は、売上やマーケティングがベースのことが多いけど、おれはそこを半分無視して、自分がこれっていうのをだして実績をつくっていくっていうことをずっと繰り返してきているから。それで、結果はでてるしね。
リアルなところで、それをつくれば競合に勝るものがあるっていうのはわかるけど、(僕たちに向かって)別の面も見てほしい、別の目も持って欲しいは思っているよ。
うちに来てくれるお客様は少なくとも他の家具屋さんにないものを買いに来ている。だからこそ、もっと夢のあるものを売っていいんじゃないかって思うよ。
商品群としては今ないものの補完は必要だから持っていていいと思うけど、表現の場としての店舗はもっととがっていて欲しいと思うし、アミューズメントであってもいいんじゃないのって思うよね。
常務執行役員 ブランド本部長
兼 クラッシュ事業部長
Mori Takuro
28歳で入社、営業、商品部を経てEasy Lifeから始まりKnot antiques、NORとブランドを立ち上げ、tabuが出来たあたりから複合化、現材のCRUSH CRASH PROJECT(CCP)に。現在も進化はとどまらず、2024年CRASHGATE から新ブランド ”OASIS”を立ち上げるなど 常にチャレンジ精神と好奇心を持ちながら活躍の場を広げている。